Day: July 29, 2024

システムリサーチに学ぶDX認定事業者になる方法 – Cyber Tech

DX戦略のセカンドステップとしてDX認定の取得 経済産業省のDX認定制度に対する関心が高まっている。DX認定事業者となった企業の数は2023年7月には747社(大企業511社、中小企業等236社)だったものが2024年7月には1111社(大企業621社、中小企業等490社)と倍近く増加している。 DX認定制度は、デジタルによるビジネスの変革を目指す事業者を国が認定する制度。2020年5月に施行された「情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律」に基づき、デジタル技術による社会変革を踏まえて経営者に求められる対応をまとめた「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応し、DX推進の準備が整っていると認められる企業を国が認定する。 なぜDX認定制度に関心が高まっているのか。 経済産業省ではホームページの「DX認定制度(情報処理の促進に関する法律第三十一条に基づく認定制度)」の項目で次のように説明している。 「DX認定制度の認定事業者に対するアンケートでは、約80%の認定事業者がDX戦略の推進に効果があったと考えており、顧客との関係、人事の育成・確保でも良い効果があったと実感しています。また、直近1年間(2024年7月時点)の全認定事業者数は1.5倍で伸びており、特に中小企業等では約2.1倍と全認定事業者数の増加を牽引していることから、中小企業等においても本制度やDX推進の取組みが広がっています」 ではなぜ多くの企業が認定制度に関心を示すのか。その理由としては第一位が78%で「DX戦略の推進」、2番目が72.2%で「顧客に対する企業イメージの向上」、3番目が54.7%で「DX認定制度ロゴマークの使用」だという。 確かにDX認定制度で認定事業者になれば数々のメリットがある。 「DX認定」のロゴを使用して認定事業者がホームページや名刺などで「自社がDXに積極的に取り組んでいる企業」であることを社内外にPRできるほか、①日本政策金融公庫からの金利優遇(基準利率1.25%よりも低い特別利率(0.65%)の適用②中小企業信用保証法の特例③DX投資促進税制(デジタル関連投資に対し、税額控除(5%または3%)もしくは特別償却30%を措置する――ことなどがあげられる。 また上場企業にとっては、経済産業省と東京証券取引所が実施する「デジタルトランスフォーメーション銘柄」の応募条件となる。 ではどのようにすればDXに取り組んでいる事業者として認定されるのだろうか。そこで今回は2023年6月にDX認定事業者を取得したシステムリサーチに話を聞いた。 「取引先にもアピールできるのでは」という思いからDX認定事業者を目指す システムリサーチは2019年7月に社長に就任した平山宏氏が10年を見据えた取り組みをするよう指示。これをきっかけに事業部長や部門長が数か月間かけて議論を重ね、中長期目標「Subsequent Vison fiftieth(NV)」を策定、2022年4月から5つの取り組みを開始した。 このとき5つの取組の一つでDX技術者を育成していた「新たな価値を創出する技術力」の検討チームの中からDX認定事業者の申請をすべきではなかという声があがってきた。 自動車システム事業部執行役員で「新たな価値を創出する技術力」検討チームの責任者、中川智氏は次のように語る。 「DX認定事業者の申請について議論がなされるようになったのは2022年ごろからです。DX認定事業者となればSIerとして取引先にもアピールが出来るのではないか、ということで『新たな価値を創出する技術力』検討チームから議論が始まり、社長にも提案した上で、正式に取得に向けて動き出しました」(中川氏) システムリサーチは2022年4月、平山社長を委員長、中川氏を副委員長とするDX推進委員会を2022年4月に設置した。 DX推進委員会は、その傘下にある社内DX担当、DX部門推進担当、DX人材育成担当が上位方針を受けて全事業部の部門長や管理職と検討し、推進できる仕組みとなっている。 DX推進委員会は四半期に1度、委員会を開き、四半期ごとの事業計画の進捗状況を検討。NVの各チームはDX推進委員会の方針を踏まえてタスクを推進するという体制が構築された。 DX推進委員会が動き出したのは6月ごろから。DX認定制度を活用するためには認定審査事務を担当している独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に所定の申請書を提出する必要がある。 申請対象企業は所定の書類をIPAの「DX推進ポータル」からダウンロードして作成し申請。IPAは「デジタルガバナンス・コード」の基本事項に対応しているかどうかを審査する。 申請書は以下の設問で構成され、質問に従って回答していくことになる。 (1)...
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